稼働時間ではなく労働生産性が大切
「稼働を気にしすぎ」の人が多い
今回も竹花さんの以下の動画を見ての感想を記載していきます。
以前こちらのblogで書いた8時間労働についても少し関係する部分もあります。
●【バカ上司について行くな】一流経営者が考える生産性のあげ方
1.稼働を気にしても実は利益は増えない
竹花「いろんな奴がいつでも稼働率を意識しすぎ。
例えばですよ、あなた、平日システムの販売の営業をやっているよね。
俺が社長で、あなたが部長だとして、メンバーが5人くらいいたとして、部長がもっと売上あげろって言ったらどうする?」
聞き手「もっと働いてもらう」
竹花「もっと働いてもらう。つまり稼働してもらう。ほとんどのやつがコレ。稼働率ばかりに目を向けた経営している奴めちゃめちゃ多い。これは、上司もそう、経営者もそう、リーダも。もしも、あなたが何かマネジメントしている立場なのであれば、もしくは今後なるのであれば、絶対に稼働率とか稼働日数とかに絶対に目を向けちゃいけない。
たとえば稼働数って何かっていうと、人数を増やすとか機械を増やすとか、営業日を増やすとか。
営業日を増やせば売上が上がるの?そんなことない。実は全く。
売上を上げようと思ったら、残業したり、土・日出勤したりして働く時間=稼働時間を増やそうとする人は多いのではないでしょうか。
でも、実はそれではあまり売上アップの効果はないようです。
2.大切なのは労働生産性
では、何が大切なのかというとそれは、「労働生産性(PPP=Profit per Person)」です。
これは”1人がいくらの結果や利益を生むか”を表します。
動画ではここで、ライン生産とセル生産の話を説明しながら、労働生産性について説明しています。
時間は2:20あたりからです。
●ハンバーガーを作るときの例
①パンを切る、②具を挟む、③包む(包装する)の3つの工程があると仮定する。
(1)ライン生産の場合
①切る:Aさん担当・・・1個1分かかる。⇒1時間に60個
②挟む:Bさん担当・・・1個2分かかる。⇒1時間に30個
③包む:Cさん担当・・・1個1分かかる。⇒1時間に60個
・このラインの場合、1時間にハンバーガーは30個しかできない。
・挟む作業が30個しかできないので、Cさんには30個しか商品が回ってこない。
=挟む作業がボトルネックになっている。
(2)セル生産の場合
①パンを切る~③ 包むまで、1人で担当。
1人の作業時間合計は(切る1分+挟む2分+包む1分=4分とする)
Aさん:切る~包む・・・1個4分かかる⇒1時間に15個
Bさん:切る~包む・・・1個4分かかる⇒1時間に15個
Cさん:切る~包む・・・1個4分かかる⇒1時間に15個
------>合計:45個
この生産方法ならば、1時間に合計45個できる。
作業者を1人減らしても30個作れる。
(この話はとても分かりやすいので動画も見てみてください!)
ライン生産のように作業を分業でやるより、1人1人がすべての工程をこなす方が、生産性が上がるということですね。
3.セル生産的な考えで部署のカベをなくす
竹花さんの次の言葉は、様々な企業でセル生産を応用し、生産性を上げるための参考になると思います。
うちの組織って、全員がサポートもやるし、全員が営業もやったりするし、全員がブログを書いたりするし、動画の編集に入ったりするし、みんな横軸でやらせてるでしょ。部署っていうのはあってないようなもんじゃん。
これが、セル生産って呼ばれる生産性のあげ方なのよ。
いま一番求められてんのは、実は何々の専門家とか言われたりするけれど、めちゃめちゃその専門家でスキルが高いのならいいよ。
でも今求められてんのって、この時代の変化についていく、OODA(ウーダ)のスキルなんだよ。
PDCAでプラント実行する人とチェックする人と、もう一回アクションする人が分かれてるみたいな意味の分かんない組織じゃなくて、”現場が全部できる”。”企画から販売からマネージメントがすべてできる”っていう風にやってとにかく生産性を上げないといけない。
例えば自分の経験した製造業で言うと、
・営業が受注⇒・管理がスケジュールリング・⇒・設計⇒・調達が手配
⇒・製造が組立⇒・出荷管理が出荷スケジュールリングや梱包⇒出荷
と完全なる分業制でした。
しかも、お互い他部署のことを分かっている人が少ない。
そのため、他部署に悪影響が出ることもあります。
- 「自社製品に詳しくない営業」⇒超短納期・低価格で受注
- 「モノづくりを分かっていない管理」⇒無茶なスケジューリング
- 「コスト意識のない設計」⇒高コスト品かつ製造しずらい製品
こうなると、作業は当然スムースに進みません。
納期に間に合わせるために、皆、連日連夜残業し、予算もないため、頑張っても成果はほぼありません。
予算オーバになる部署もたくさん出てくれば、今度は、原価管理に予算オーバの理由を追及されます。
その原因を資料にまとめるのに、また残業・・・。
労働生産性で言えば、おそらく最悪です。
ですが、このような企業でも時々、部署のカベを超えて動いている人がいました。
例えば、ある製造の人は設計まで行って、以下の様なことを打ち合わせしていました。
「この時の設計した製品が作りやすかった。この設計を基本に次も作って欲しい」
「そうすれば、製造工数もこれだけに収まる」
「さらに、効率化するために、ココの構造をこう変えて欲しい」
「ある程度図面ができたら、こっちにも見せて」
このように自分の部署・他人の部署関係なく、部署のカベを超えて、コミュニケーションを図っている人がいると、円滑に仕事が進められると思います。
全部署の作業を1人で行うことはできないとしても、部署を超えた”横の幅”を広げる努力をすることは、自分たちの生産性を上げるのにはとても重要なのではないでしょうか。
そして、それが自分のスキルアップにもつながるでしょう。
4.8時間労働の呪縛も稼働時間を気にしすぎ?
以前の記事で、「8時間労働は長すぎないのか」と書きました。
特に、私自身で言えば、8時間フル稼働していることはほとんどないし、8時間集中し続けることもできない。
ならば、8時間でなく、例えば6時間でも良いのではないかと思っています。
ここで、労働基準法がカベになります。
- 労働基準法では、1日8時間、週40時間と決められている。
- 1日6時間労働ならば、週6日出勤にしても、給料は変わらない。
- なので、経営者目線から言えば、週6日出勤の方がお得と感じる。
これも稼働を確保したいという気持ちから生まれているのではないでしょうか。
本来ならば、8時間労働から6時間労働にすることにより生まれた時間を、副業などに使っても良いので、スキルアップしてもらう方が将来的に経営者にとってもお得ではないでしょうか。
スキルアップして個人の能力が上がれば、部署のカベを超えた働き方ができるようになります。
そうなれば、おのずと労働生産性も上がるでしょう。
または、そのようなスキルが上がるための副業を、会社から紹介しても良いと思います。
この方が稼働で社員の時間を縛るよりも、よっぽど労働生産性も上がるのではないでしょうか?
自分も、
- 他部署にも積極的に興味を持ってかかわる
- 分からないことを自ら学ぶ
- そして、学びを効率化するためにアウトプットする
ということを意識していきたいと思いました。