本:レビュー「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37の馬鹿が見つけた必勝法」
厳しい時代に”生きていくための方法”が詰まった本
色々なことが急速に変化していく世の中。
”ITが普及することで、なくなる職業があると言われている。”
”年金ももらえないかもしれない。”
”企業の終身雇用が限界にきているとの声もある”
などなど、将来の不安要素ってたくさんありますよね。
そんな、厳しい時代に”生きていくための方法”について参考になるのがこちらの本です。
著者は、東京の目黒でイタリアンレストランを経営する料理人です。
このお店はミシュランで1つ星を獲得するようなお店なのですが、生産性やビジネスモデルを学ぶために、なんと、サイゼリアでバイトをしているというのです。
そんな著者のお店は、2020年、多くの飲食店が赤字で苦しんだり、倒産していく中で黒字を出しています。
そんな著者の考え方を学べる本になっています。
サバンナ思考=危機感×気づき×即行動
今のように変化の激しい時代には、”危機感を持ち続けて、一つでも多くのことに気づき、行動する”ことが大切だと言っています。
これを著者はサバンナ思考と名付けています。
ポジティブにベストやベターを考えるのではなく、失敗しないことを重要視する。
落とし穴に落ちないことが大切。
確か、西野亮廣さんの本かブログでも、
『「こうすれば上手くいく」というハウツーは必ず100%上手くいくとは限らない。
一方、「こうすれば失敗する」は100%失敗する。
ハワイに行きたいのに、電車にしか乗らないのではたどり着けない。
挑戦する人は、「コレをやったら失敗する」ということをリストアップしてそれを排除することから始めなければならない。
しかし、多くの人が、何も考えず挑戦を始めて、皆が落ちる穴に落ちる。』
というようなことを言っていたと思まいす。
失敗しないための方法は過去や経験から学べるということでしょうね。
また、行動力も大切です。
思いついたら即行動。それも全速力で行動しないとライオンに食べられる。
ブロガーのマナブさんや、竹花貴樹さんも同様のことを言っていました。
『ひたすらインプットして、準備して、結局何もやらない人が多すぎる。
そうではなくて、とりあえずやってみる。インプットしたことをアウトプットしてみる。それでもダメなら、何がダメかを理解した上で別のことにまたチャレンジする。』
辞めるとしても、「どうしてダメか」を分かったことが経験になります。
「どうしてダメか」分かっていれば、同じような局面に出会った時、やらなくても良いかが、判断できるようになりますね。
つまり、時間を浪費しなくて済むようになるということです。
サバンナ思考の具体例~レストランの抱える問題を解決するために!
著者の場合は、レストランが生産性の面で問題を抱えていました。
そこで、著者は以下の様に考えました。
生産性を改善するには?
⇒成功者に教えてもらおうと考えた。
⇒成功者であるサイゼリアに学ぼうと考えた
⇒サイゼリアでバイトした
これが、著者がサイゼリアでバイトするに至った経緯です。
バイトの応募もWebサイトから普通に行ったそうですよ。
このように、危機回避を突き詰めていった結果、夢や目標がかなっていくのでしょう。
ウェイト&ストップ思考の罠
思考停止し、変化しないことは今の時代、大きなリスクになります。
「上司に言われたから」、「予算が決まっているから」、「今までのやり方だから」・・・などなど。
そこでとどまっていても誰も責めはしない。むしろ褒められるかもしれない。
皆、子供のころから「変わったことをするな」、「ルールに従え」という教育を受けてきた。
それが、ウェイト&ストップ思考を作り出している。
好きなことを伸ばすのではなく、欠点をなくすのが日本の教育。
「個性を伸ばす」と言いつつ、普通の人とちょっと違うと「空気を読め」とかオタク扱いされる。
日本の教育は、基礎知識を身に付けるためには当然大切です。
しかし、それだけでは、今の時代生き抜くのは困難なのかもしれません。
自分の経験が何よりもモノを言うのではないでしょうか。
思考停止から抜け出す3つの問い
①本当にそれであなたは幸せになれますか
②本当にみんなは幸せになれますか
③本当に稼ぐことができますか
この3つを考えることが思考停止を抜け出すことにつながり、周囲の人の話も謙虚に聞ける。
ミシュランの評価に縛られ、「評価が下がるかも」と恐れ、ミシュランに依存するのではなく、自分なりの価値観を決めて、店を運営する方向に舵を切った。
その結果、ミシュランと価値を共存することができるようになった。
依存から脱却できた。
世の中の常識やルールに依存するのではなくて、
”本当に自分にとってこれが必要なのか” と考え続けることが大切なのかもしれませんね。
3つの問いを私自身も、心に持ち続けたいと思います。
マヨネーズ理論=丸パクリ
マヨネーズ理論とは、“すごい人のやり方を丸パクリして、最速で成長しょう”という考え方です。
マヨネーズの作り方は簡単。
卵黄、油、酢、塩を混ぜるだけ。
しかし、マヨネーズを発明するのはとても難しかったはず。
酢は防腐効果があるのでこれを考えた人は天才。
そんな大発明をしたら、一生かかるかもしれない。
発明をする一生も良いが、すでに、世にマヨネーズがあるならば、一から発明しないで、作り方を学べばよい。
一から一人で勉強するよりも、一流の人に教えた貰ったり、マネしたらいいということですね。
勉強するとなると、”参考書を買って、一から勉強する!”と考える人が多いと思います。
これは一見、やる気がありそうですが、実際は途中で挫折することもいいでしょうし、何から勉強したらよいか、優先順位付けもできません。
一方、セミナーなどでその道のプロに教えてもらえば、言われた通りのことを勉強すれば良いので、よっぽど楽ですし、早いです。
費やす時間を比較すれば、実は、セミナー代などは安く済むでしょう。
逆に独学で一から学んでは、おそらく、その、一流の人の実力には届かないのではないでしょうか。
著者も言っていますが、
一流になりたいなら、一流に学ばないとそのレベルまで成長できない。
ということですね。
宝物はすぐ近くにある
最後に、実は、すぐそばにも、”自分が学ぶべき人はたくさんいるかもしれない”ということです。
自分の身近な人からでも学べる。
苦手なことも一流の人から学べば、楽にスキルを高められる。
例えば、人前で話すのが苦手なら、落語家に教えてもらっても良い。
落語教室などを教えている噺家はたくさんいる。
よくある話し方教室などより効果的。
身近に学べる人がいると思っていない人は、自分の目が曇っている可能性が高い。
すごい人の良さに気付けるのは、自分には何が足りないかわかっていて、学びたい気持ちがあるから。
自分の成長が頭打ちになっていると感じたら、自分の中の固定観念や思考停止を取り払う必要がある。
自分に何が必要か、そして、周りにいる人の良いところをしっかり見ていれば、自分が”学びたい!”と思える人はたくさんいるのかもしれませんね。
少し長くなりましたが、他にも、著者の実践した内容など、ためになる話がたくさんある本です。
興味がある人は、書店などで手に取って中身を見てみるのもおススメですよ。