bungoの雑記帳

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8時間労働って長すぎない?そもそもなんで8時間労働なのか?

1.ある日、8時間労働に対する疑問が生まれた

私は会社員で調達業務をしていて、9:00~18:00までが定時の8時間労働です。

時々忙しい日もあるので、そんな日は1時間~2時間程度残業することもあります。

 

しかし、大抵は8時間ぶっ通しで忙しいなんていうことはありません。

正直早いときは午前中で仕事がはけて、後は問い合わせなどの対応のため、デスクに座っているだけ・・・なんてこともあります。

 

当然ただ座っているだけだともったいないので、別の仕事を探したり、製品の勉強をしたり、業務マニュアルを作ったりしてきました。

 

でもこれらをいくらやっても当然給料には反映されません。

その理由は、いくらマニュアルを作ったり、製品の勉強などをしても、接会社の売り上げが伸びるわけではないからです。

 

なので、「暇だから仕事を増やす」→「忙しくなるけど給料はあがらない」となるだけで、やるのもバカらしくなってきてしまいました。

 

さらに加えて、そもそも、8時間ずっと集中して仕事をし続けるのも無理ではないでしょうか。

1週間毎日8時間ずっと集中しすることは、自分にはとても無理です。

 

結局、時間を持て余してダラダラするか、集中力が切れてダラダラするかのどちらかな気がします。

(私が怠け者なだけなのかもしれませんが・・・)

 

そんな時にふと、「なんで8時間労働が必要なんだろう」という疑問が湧いてきました。

 

そこで、8時間労働が生まれた歴史や現代の適切な労働時間についての情報を、書き留めておきたいと思います。

 

2.8時間労働が生まれた理由

8時間労働を初めて提唱したのは、1817年のイギリスの実業家の“ロバート・オーウェン”だったといわれています。

この当時は、産業革命の真っただ中で、工場労働者は1日10~16時間も働いていました。しかも、小さな子供まで長時間労働をしていました。

 

オーウェンはこんな状況を変えるために1817年に8時間労働を目標として、『仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を』というスローガンを作ったのです。

つまり、1日24時間を仕事、休息、好きなことで3等分したといことなのでしょう。

 

その後、世界各地で8時間労働を要求する労働者のデモが広がっていき、1919年には国際労働機関(ILO)が第一号条約にて、8時間労働を採択しました。

これにより、8時間労働が国際ルールとして確立されたのです。

 

 

3.8時間労働の歴史のまとめ

1817年にスローガンが作られ、1919年に世界のスタンダードとなったことは分かりました。

ここでは、現在の日本の労働基準法が制定されるまでの歴史を簡単に整理しておきます。

 

①1500年代

・イギリスの王令で世界ではじめて労働時間が定められた。

・この当時の王令では労働時間は13時間労働(AM5時~PM8時、休憩2時間)であった。

 

②1817年:イギリスの実業家“ロバート・オーウェン”が8時間労働を目標としたスローガン作成

・『仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を』

 

1833年:工場法制定

・繊維工場で9歳未満の労働禁止。

・9~18歳未満の労働時間を週69時間以内に制限。

・工場監督官制度導入。

 

④1838~47年:10時間法制定

・イギリスで展開された労働階級による政治運動“チャーティスト運動”により、10時間労働制の実現。

 

⑤1856年:建築職人8時間協定

・当時、イギリスの植民地であったメルボルンでの運動。

 

1886年:シカゴのストライキ

アメリカシカゴで1856年5月1日に労働者が8時間労働を求めストライキ

メーデー(労働者の日)の起源となった。

・このストライキのスローガンが1817年にオーウェンが提唱した仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を』であった。

 

⑦1890年:第1回国債メーデー

アメリカ、イギリス、フランスなどで、労働者が5月1日に“8時間労働”を求め、ストライキを実施。

 

⑧1919年:ILOの第1条に8時間労働が採択された

・これ以降8時間労働が世界のスタンダードとなった。

 

⑨1947年:労働基準法制定 8時間労働スタート

 

4.8時間労働は現代に合っているのか?

歴史を振り返ってみると、8時間労働は1817年に生まれた考えであることが分かりました。

 

しかし、その当時に比べると現在ではパソコンやスマホを使うことが当たり前になり、インターネットやAIなども仕事に導入され時代は大きく変わっています。

 

そんな時代に本当に8時間労働が必要なのでしょうか。

普通に考えれば、仕事の効率が上がり、生産性が上がっているはずなので、労働時間は短くても良いはずではないでしょうか。

 

しかも、8時間会社に拘束されるとなると、それ以外に通勤時間がかかります。さらに夜ご飯や入浴の時間、洗い物や洗濯も別でしなければいけません。

 

例えば私の場合だと終業後にやることは、

 ●18時退社→●子供を祖父母の家へ迎えに行く→●帰宅→●お風呂の準備→●自分の夕飯を食べる→●子供をお風呂に入れる→●食器を洗う→●洗濯機を回す→●子どもを寝かしつける→●疲れて自分も寝る→●夜起きて洗濯物を干す→●就寝

 

この間に奥さんが帰宅して一部、作業が分担されることがありますが、基本的に上記のことをこなさなければいけません。

 

改めて考えると、3等分していたはずの1日ですが、自分の時間はほとんどありません。家事や通勤も労働と考えると、1日の大半が労働です。

 

こんな状況では、働き方改革で推奨される副業をする時間なんてとても取れませんよね。

 

自分の時間があるとすれば土日のみですが、うちのように子供がいる家庭だとそれも難しいでしょう。

 

5.適切な労働時間はどのくらいなのか?

私の仕事の場合、自分の体感ベースですが、6時間くらいがベストに感じます。

このくらいの時間以内に大体の仕事は終わりますし、別の仕事をしていても集中力が切れてきます。

長くても7時間が限界かなと感じています。(もちろん職種や体力により個人差はあるかもしれませんが)

 

ちなみに、海外に目を向けてみるとスウェーデンでは労働時間8時間→6時間へ減らす取り組みがされているようです。

スウェーデンのIT系ベンチャー企業トヨタの自動車工場などはすでに6時間労働制を定着させている企業もあるようです。

 

また、日本ではスタートトゥデイが6時間労働制を取り入れているようです。

 

8時間から6時間に短縮されれば、この新しく生まれた2時間でもう少し、自分の時間を作ることもできて、スキルアップや副業で収入アップにもつなげていけるのではないでしょうか。

 

6.日本で8時間労働を変えるときのカベ

日本で6時間労働を実現するときにカベになるのが労働基準法です。

 

労働基準法では1日8時間以内、週40時間以内と定められています。

なので、1日6時間労働となった分、出勤日数を増やしても、週40時間以内ならば支払う給料も同じです。

 

経営者目線から言えば、同じ給料を払うなら可能な限りたくさん働いてもらおうと考えるのではないでしょうか。

そのため、労働基準法が変わらなければ、“結局1週間合計での労働時間は変わらない”という状況が続くかもしれません。

 

ただ、ここは、本来は見るべきところは違っていて、稼働時間ではなく、生産性を重要視すべきだと思います。

見るべきは、たくさん稼働したかどうかではなく、生産性が上がったかどうかです。

 

生産性の大切さについては、竹花貴騎さんのYouTube動画を見ると分かりやすいです。

(これについては別途記事を書くつもりです)

 

参考サイト 

●トレース 「人はなぜ、8時間働くのだろう」

●なぜ労働時間は8時間なのか?8時間も働きたくない!

●労働時間はもっと短くできる?8時間労働・週休2日の歴史(労働時間編)