いま学ぶ!渋沢資本主義
いま学ぶ!渋沢資本主義 エコノミスト2021.3.2号
エコノミストの記事に渋沢栄一の考え方などを書いた記事がありましたので、ブログに記載しておきたいと思います。
渋沢栄一は富の独占を嫌う人でした。
そこで、出資者を広く募って事業を成功させ利益還元を目指す合本主義を唱えた人でもあります。
渋沢の株式会社制度への考え方=公益性の重視
渋沢は株式会社制度を日本に定着させた人でもあります。
そんな渋沢は株式会社を導入する際に、公益性を重視しました。
株式会社に関する部分には、下記のような内容が書かれています。
公益性とは、その事業の恩恵を広くあまねく多くの人が傍受できるビジネス。
ある地域に銀行ができる、鉄道が引かれる。地域の資源を利用した製造会社ができる。
これは、地域経済を近代化して雇用や付帯ビジネスを生み出し、地域全体の価値を何倍も高めてくれる。
そのため、地域の人たちに少額でもいいので出資してもらい、かかわり続けてもらうべきだと考えた。
そうすれば、出資を通して、自らの地域に貢献し、リターンも得られる。それが渋沢が考える株式会社のあるべき姿。
岩崎弥太郎の独占資本主義とは正反対の考え方。
素晴らしい考えだと思います。地域の人たちが、自らの地域を育てるための株式会社ということなのでしょうね。
任せて育てる経営者
渋沢の人材育成の方法もとても参考になる点があります。
記事内の該当部要約を下記に記載します。
渋沢一人がシャカリキになって多くの会社に関わり目を光らせておいてもおのずと限界がある。
ミニ渋沢をたくさん用意しなければいけない。
渋沢は学歴重視ではなかった。
渋沢に見いだされた経営者は志が高く、実務能力が高いことが重視され、支配人に抜擢された。
支配人とは現場司令官のような役割。
渋沢は支配人と一緒にトラブルの解決に知恵を出し、早期解決に導いた。
その成功体験をもって、他社に異動させた。
その理由は、違う畑でさらに大きな規模を担わせて経営者の器を大きくするため。
他社に移動させてさらに成長を則すという点はとても新鮮な感じがします。
今の日本では、1つの会社の中の1つの部署で最後まで働くという人も多いと思います。
それと比べて、他社を経験できるというのは自分へも大きな成長になると思います。
哲学を失った財界
財界の哲学についての記載もあり、これは、自分にとって考えさせれる点が多かったです。
該当部要約は下記のとおりです。
財界は総資本と総労働の配分方針を決めるところだった。
総資本とはヒト,モノ、カネのこと。
・旧経団連=総資本の分配方針を決定
・日経連=雇用側から、労働価値つまり賃金水準を決定。
この哲学があるからこそ、日本が一丸となって、問題解決に立ち向かえたのかもしれません。
そんな中、個人でできることは何かと考えると、日本全体を個人で何とかすることは難しくても、自分の住む地域など、狭い範囲から変えていくことはできるのかなと思いました。
それが、自分にとっては地域への貢献をすることだと考えています。
補足 財界とは
財界という言葉は聞いたことはありましたが、はっきりとどんな意味か、自分自身が理解していませんでした。
改めて、財界の言葉の定義を記載しておきます。
参考:財界とは - コトバンク
国や地方レベルで、経営者が企業の枠を超えた交流と活動を行う場。
一般に中央財界と地方罪科に分かれている。地方では各主要経済団体が実質的な舞台となる。
本来財界は個々の企業、業界の利害を超え、経済界全体の立場から国内外の諸問題に当たることを任務とする
政治献金や官僚との接触なども、この任務を円滑に進めるためには有効と考えられていた。
しかし、近年では個別企業が政官各方面と独自の関係を強めるに従い、財界の影響力に陰りを見せてている。
色々とためになることが書かれていました。
別の渋沢栄一に関する記事はこちら。